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帯締めの結び方の種類は?伝統を紹介

帯締めは、着物姿に調和や華やかさを加えるとともに、帯をしっかり固定する和装小物です。
色や素材、結び方によって印象が変わり、装い全体の印象を左右することも少なくありません。
この記事では、帯締めの特徴や種類、帯留め・三分紐との違い、着物との相性、TPOに応じた選び方まで幅広く紹介します。
「帯締めについてもっと詳しく知りたい」「TPOや個性に合わせた帯締めの選び方は?」など、さまざまな疑問の解決になれば幸いです。

帯締めとは?特徴と帯留めや三分紐との違い

帯締めは帯の形を整え、着物姿に品を添える小物です。着用の目的は帯を安定させることにありますが、同時に装いの印象を引き立てる役割も担っています。
ここでは、帯締めの特徴や帯留め・三分紐との違いなどについて紹介します。

帯締めの特徴

帯締めは、着物の装いに欠かせない小物のひとつです。帯をしっかりと固定し、形崩れを防ぐ役割を果たす一方で、見た目の印象を引き締める効果もあります。
素材や太さ、組み方によって雰囲気が変わり、装い全体の印象を左右することも少なくありません。
一般的には絹製が多く使われていますが、夏場には麻やレース素材が選ばれることもあります。

三分紐との違いは?

三分紐は、帯留めを通すために使われる細身の帯締めです。一般的な帯締めに比べると華奢な印象があり、繊細な印象を演出したい時 や、帯留めを使ったアレンジを楽しみたい時によく選ばれます。
色のバリエーションも豊富で、装いに幅を出したり、遊び心を加えたりしたい時などに適しています。
通常の帯締めとは目的が異なるため、場面に応じて使い分けましょう。

帯留めとの違いは?

帯締めが帯をしっかりと固定する役割を持つのに対して、帯留めは見た目の華やかさを演出するためのアイテムです。
帯締めとは異なり、装飾が目的になるため、単体では機能せず、三分紐などに通して使うことで形になります。
そのため、使用する際には、三分紐との色やデザインのバランスに配慮する必要があります。
モチーフは季節や場面に応じて選ばれることが多く、ガラスや陶器、金属など素材の種類もさまざまです。
宝飾・真珠などは訪問着に合わせて式典などでも用いる事もあるので、モチーフや素材などでフォーマルかカジュアルかを使い分けて使用します。

代表的な帯締めの種類

帯締めにはさまざまな種類があり、素材や組み方、太さによって印象が大きく異なります。格式や用途に応じて適したものを選ぶことで、着物のコーディネートがより引き立つでしょう。
ここでは、代表的な帯締めとして「丸組」「平組(本結び)」「角組」の3種類を紹介します。

丸組

丸組は、丸く組まれた組み紐です。裏表がなく結んだ時に形が整いやすいのが特徴です。
金・銀入りでボリューム感のあるものや細くスッキリしたスッキリしたものなど、フォーマルからカジュアルまで様々なタイプがあり、振袖用などは変わり結び(結び方のアレンジ)で個性が出せるのも特徴です。

平組(本結び)

平組の帯締めは、平たくしっかりと組まれた構造で、帯を安定させる力が強いのが特徴です。目が平らになじむため、帯まわりがすっきりと見え、上品な印象を与えます。
基本的な帯締めのひとつとして、最も汎用性が高く、色・柄によってカジュアルから、訪問着や付け下げ、留袖などのフォーマルな装いにも対応できる万能選手だといえるでしょう。
ぼかし(グラデーション)や模様入りのものまで種類が豊富で、場面や季節に応じた選び方がしやすいのも利点です。
結びやすさと崩れにくさを兼ね備えた万能型として、幅広い世代や用途におすすめです。

角組

角組は、断面が四角くなるように組まれた帯締めで、しっかりとした結び心地と安定感があります。
組み方に緻密さがあり、全体的に引き締まった印象を演出できるため、色柄によってはやや格式高い場にも適しています。
礼装にも対応可能なため、色味や素材を選べばフォーマルな場面でも違和感がありません。
平組と比べるとやや硬さがありますが、その分結び目が崩れにくく、安定感を求めたい時にもおすすめです。

帯締めがほどけてしまったら?

帯締めが途中でほどけてしまった場合は、無理に引っ張ったりせず、落ち着いて結び直すのが基本です。
更衣室や広いお手洗いなど、作業しやすい場所で帯締めをほどき、緩みやねじれを整えてから再度きちんと結び直しましょう。

帯締めを選ぶ時のポイント

帯締めは、ただ帯を固定するだけでなく、装いの印象を左右する効果があります。選び方によって着物全体の調和や格調が大きく変わるため、TPOや着用シーンに合ったものを選びましょう。
ここでは、帯締め選びで押さえておきたい3つのポイントについて紹介します。

フォーマル・カジュアルの使い分け

帯締めには格式があり、TPOに応じた使い分けが求められます。
場の雰囲気や求められる装いの格に応じて選ぶことで、着物全体の品格やまとまりを損なわず、洗練された印象に仕上げられるでしょう。
例えばフォーマルな場では、金銀が入ったものや白系、格調高い組み方の平組・角組などが好まれ、訪問着や留袖といった装いに合わせられます。
一方、カジュアルな場では、丸組や色柄の自由度が高いものが選ばれ、紬や小紋などに合わせて楽しむスタイルが一般的です。

色使いや色の種類

色選びに意識を向けると装いに奥行きが出ます。全体のトーンと調和させることはもちろん、反対色を用いて引き締める方法もおすすめです。
フォーマルな場では落ち着いた色味が好まれる傾向にあり、白・金・銀など品格を感じさせる色が使われます。
一方、カジュアルな場では柄入りなど、遊び心のある色柄も選びやすくなります。
季節感を出すために、色や柄を工夫するのもよいでしょう。

着物との相性

帯締めは、着物や帯との調和を考えて選ぶことが重要です。色や素材だけでなく、柄の有無や質感など、全体のバランスを見て判断しましょう。
着物の種類や格に合わせるだけでなく、自分の印象や演出したい雰囲気に合わせて調整することも大切です。

まとめ

帯締めは実用性だけでなく、着物全体の印象や格を左右します。
TPOに合った種類を選ぶことで、場にふさわしい装いに整えることができ、色や素材の選び方によって季節感や個性も演出できるでしょう。
フォーマルな場では格式や落ち着きが求められ、カジュアルな場では自由な色柄が楽しめるなど、場面に応じた選び分けがおすすめです。
着物や帯との調和も意識して統一感を出せば、洗練された印象にもなるでしょう。
株式会社辻和では、着物や着用される場にふさわしい帯締めをご案内しています。

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